このブログについて



2003年11月6日に私の母が永眠いたしました。

当時、私は櫻乃聲 輝夜(おのごえ かぐや)というHNでポエムサイトを運営しており、幾人かのポエマーさん達や、サイトを通じて仲良くなった方々と交流がありました。

今では一般的になっているブログも、当時はあまり馴染みがなくて、自サイトにCGIを使って日記を設置して、そこにつたない日々の出来事を記載していたのですが、その最中に母が体調を崩し、まさか死ぬことになるなどとは思いもよらず、母のことを日記に書き綴っていました。

やがて母は入院することになり、医者の診断ミスがあったり、酷い扱いをされたり・・・
なんの病気なのかわからず、なぜ、元気にならないのかわからず・・・そんなことを日記に書いていく中で、母はどんどん衰弱していき、やがて、亡くなりました。

当時は、妹は結婚して家を出ており、父と母の住む実家の隣家に私がひとり暮らしをしていて、隣家なので、私は毎日実家と行き来していました。

母との関係は良好でした。
だから、母の死は、私の人生に、良くも悪くも大きな影響を与えたと言えます。

それは、父にとっても同じでした。
父は、母命みたいな人だったので、我が父ながら、気の毒なほどの落ち込み様でした。

面倒見の良い母に甘え、全てを頼り切って生きていたため、突然母を失い、私も、父も、情けないことではありますが、まるで捨てられた子犬みたいな状態でした。

私達は、何事においても率先して行動したことがなく、いつも母がやってくれていたので、母の葬儀なのに、わからないことや不安なことがあると、何度も「ああ、母がいてくれたらな・・・」と、思ったりしました。

もし母が生きていたら、間違いなく母が取り仕切っていたはずなので・・・

母の葬儀なのに、こんなことを思うなんて、本当に情けないでしょう?

母が死ぬなんて思ってもいなかったので、認めたくない現実に心がついていっていなかったということもありますが、気持ちの整理がつこうがつくまいが、時間はどんどん過ぎて行き、あげたくもない葬儀をあげ、別れたくないのに母を火葬しなければならなくなり、あんなにも存在感のあった母が、骨だけになって、小さな骨壺に納められました。

このあたりから、私は、母のページを作ろうと思い始めていました。

母が生きている頃、私は、母の世話になりっぱなしで、ろくな恩返しも出来ませんでした。
母は昔から短命だと言われていたのですが、そう言われ続けていたのに、大病もせず、還暦を迎え、まだまだ元気で死ぬ気配なんてなかったので、この先もずっと一緒にいられると、何の根拠もないのに呑気に構えていたのです。

当時の私は、父とも妹とも不仲で、母がクッションになってくれていました。
でも、もう母はいません。

「元気出しなよ。悲しいことは早く忘れて新しい人生を歩みなよ。」と、母を亡くしたばかりの頃、父が叔父(父の弟)に言われたことがあります。

「忘れて新たな人生を歩む」

こんなにも違和感のある言葉は、ありませんでした。
叔父にとって、母は他人ですから、そんな言葉が口をついて出てしまったんでしょうね。

今の時代なら、父の年でも、新たな出会いを期待できるよ。
だから、早く母のことは忘れて、いい人見つけなよ。

叔父なりに、父を励まそうと思い、そう言ったようですが、父も、私たちも、とにかくショックを受けて、たとえ身内であっても、家族と、そうではない場合とでは、こんなにも気持ちに差があるのだと気付かされました。

たとえ、どんなに不仲であったとしても、母の死に対し、想いや悲しみは、他の誰でもない、家族としか、わかり合えないのです。

私は、悲しみに暮れる父に提案しました。

ただ、鬱々と悲しんでいてはいけないと思う。
その気持ちを、何でもいいから形にしよう。
お父さんは、短歌とか、趣味で書いたりするでしょう?
お母さんへの想いや、悲しみを短歌にしてよ。
そうしたら、私がそのページを作ってあげるから。
そうやって、少しづつ形にして、気持ちを整理していこう。

父は私の提案を受け入れました。
そうして、母の誕生日に間に合わせて立ち上げたのが「母に捧ぐ鎮魂詩(レクイエム)」です。

当時は、忍者ツールズの提供する忍者ホームをお借りしてサイトを立ち上げましたが、この度、忍者ツールズが複数のサービスを終了することになったため、これを機に、このブログへとお引越しすることにしました。

「母に捧ぐ鎮魂詩(レクイエム)」は、数年前に更新を終えています。
ですので、今後、このブログが更新されることは、おそらくありません。

今は亡き母を偲ぶためだけに、作ったものです。

コメント欄は閉じてありますが、閲覧は自由です。
私達家族にとっては、心のアルバムのようなものですが、それでもよろしければ、ご覧になってください。




2020年3月8日


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