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1月, 2004の投稿を表示しています

短歌・その2

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陽だまりの 墓石の前で 在りし日を 茶を飲みながら 妻と語らう 実はこの短歌 まだ母のお墓が建つ前に父が詠んだものでした。 母のお墓はとっても日当たりのいい場所に作る予定だったので この短歌のような光景を思い描いていたのでしょうね。 納骨で 独りで入る 妻の遺骨(ほね) 寂しくないか 寒くはないか いざ、母の納骨が近づくと 陽だまりの墓石の前で語らう空想はどこかへ行ってしまって 「お母さん、淋しくないかな。 あんな淋しそうな場所にひとりで入るなんて・・・。 日当たりはいいけど、土の下は寒そうだよな。」 と、私に言っていました。 素材: 十五夜 様

短歌・その1

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病床で 苦しむ妻に 頑張れと 心でさけび 口には出せず 入院する頃の母は 歩いて3歩ほどの距離にあるトイレにも 這いずってじゃなければ行けない状態で 入院中は24時間点滴で、ずっと寝たきり状態で、 トイレの時だけ車椅子で移動という日々でした。 身体中が痛いと言って息苦しそうな母・・・ 最期は自発呼吸も出来ず 肺に管を入れて酸素を直接送るような状態になり それでも「頑張れ」なんて言えなかった。 きっと父もそんな気持ちだったのでしょう。 逝く時に あなたは夢枕(ゆめ)に逢いに来て ほほえみかけて 別れを告げた 母の危篤の知らせは 午前3時台に電話で受けました。 父はその頃母の夢を見ていたそうです。 滅多に夢など見ない父が、このとき 草原のようなところを母が風に乗って フワリ、フワリとしていたと。 「お前、大丈夫なのかよ」と声をかけると母は何も言わず にっこりしながらフワ~ッと消えてしまったのだと。 きっと別れの挨拶に来てくれたんだ。 父はそう思ったそうです。 ありがとう 大好きだった君のこと あなたに逢えて 幸せでした 父は本当に母が大好きでした。 何もかも母に頼りっきりで 母だけに心を全面的に開いていました。 その母を失って、父はしわしわになるほど痩せて 悲しみと、辛さと、後悔と、戸惑いと、不安の入り混じる毎日を 母の供養に努めながら過ごしています。 「お母さんはどこにいるのだろう。」 「お母さんはちゃんとそばに居てくれているのかな。」 そう思いながら・・・。 来世では 元気な内臓(からだ) 身につけて 平和な国で 幸福願う 母はレントゲンで確認できるだけで すでに石灰化している結核の痕が三箇所と 肋膜炎の痕が右肺にあり 腎臓が弱く、骨盤は変形して歪になっていて 乳腺症もあったし、胃にポリープもあったし 高指血症で高血圧症で いつも元気でパワフルな母に見えていたけれど 本当は問題を沢山抱えながら生きていました。 だから 来世こそは健康な

愛しの妻へ

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あなたと歩いた36年間 私は本当に幸せでした。 私が23才、あなたが25才 経済的にも精神的にも 未熟な私をあなたは支えてくれた・・・。 今も尚・・・。 あなたの存在は 時には母のような、姉のような、妹のような・・・。 あなたはやさしい妻でした。 かわいい妻でした。 元気で活発な人でした。 時には意見が合わないこともありました。 でも、そんなあなたが大好きでした。 子供の教育、家の切りもりと苦労をかけました。 これからの老後を楽しく過ごすために 色々と計画をたてていましたよね。 私もあなたへのご恩返しをすることを 楽しみにしていました。 あなたは夢なかばにして逝ってしまった・・・。 残念でなりません。 でも、あなたは一生懸命頑張って生きてくれました。 もう、この世にあなたが居ないなんて 夢を見ているのか 現実なのか 今もなお、信じられません・・・。 あなたに逢わせて頂いた神様に感謝します。 本当にありがとう。 やすらかに。 母を失い、新しい年を迎え 1月もそろそろ半ばにさしかかろうという頃 突如として父が母に宛てて書いたものです。 父の承諾を得て掲載いたしました。 私達の母を失った悲しみは まだまだ癒えていません・・・ けれど、父も、私も、少しづつ 悲しい現実を受け入れ 顔を上げて、歩いています。 素材: 十五夜 様

愛する人よ

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愛する人よ あなたは突然どこへいったの? 私をおいて・・・ あなたはどこにいるの? 私の届かない遠い彼方へ行ってしまったの? 星になったの? 風になったの? 光になったの? 鳥になったの? 花になったの? 私はこれからどうしたらいいの? あなたの居ないこの世界で・・・ 星でもいい 風でもいい 光でもいい 鳥でもいい 花でもいい いつも私のそばにいてほしい 私を見守っていてほしい あなたは もう 戻ってこない 愛する人よ 愛する人よ やすらかに お母さん 母の居ない時間に父も私も慣れ始めてきたけれど 母の居ないこの世界は、どこか夢のようで まだ受け入れられないでいます・・・ そんな中で、父も自分の想いを残したいと考えたのでしょうか。 自分からこの詩を差し出し ページに掲載して欲しいと言ってきました。 かけがえのない人を失う悲しみは どれだけの時間が経ち、どうしたら癒されるのでしょうか・・・ 素材: 六花工房 様