私と猫
妻は猫が大好きで
うちには4匹の猫が居た
だが
妻は私をひとり残し 11月に逝ってしまった
私は精神状態が不安定になった
とても猫の面倒を見れるだけの心の余裕がなかった
もともと嫌いではなかったが
そんなに好きでもなかったから・・・。
私は千葉にあるワンニャン施設に引き取ってもらう事を提案した
だが 娘たちに反対された
「お母さんが大好きで 可愛がっていた猫たちだよ」と
私の状態を不安に想い
隣に住んでいた娘が4匹のうちの1匹を引き取ってくれた
我が家の猫は3匹となった
ナナコ(メス11歳くらい)
リナ子(メス12歳くらい)
ミルク(オス1歳くらい)
ナナはぶくぶく太り
ニャーニャーと甘ったれてうるさい猫だ
リナは細身で 頭は良さそうだが
陰険で憎たらしく 可愛げのない猫だ
ミルクは去年の春
目がグシャグシャになっていたのを妻が拾ってきた
今は外が大好きで
犬みたいにはしゃぎ回っている可愛い猫だ
3匹とも妻がいた時 去勢・避妊している
娘たちの反対に合い
しょうがなく今日まで飼ってきたが
最近では私の精神状態もだいぶ安定してきた
落ち着いてくると
猫を飼う事がそんなに鬱陶しくはなくなった
先日 隣に住んでいた娘も
自立していくために家を出て行き
猫3匹と私ひとりが暮らしていく事になった
今までは隣に居た娘と毎日話をしていたが
話す相手が居なくなった
私は時々猫に声をかけるようになった
猫の性格も 3匹がそれぞれ違い
なかなかおもしろいものである
私も3ニャン3様の対応をしなければならない
私の精神状態の安定には
良い効果がありそうだ
あの時 この猫たちを施設に預けていたら
今頃本当にひとりで どんなに淋しい想いをしていただろうか
これは私の事を想ってくれての
妻からの贈り物だったのだろうか
猫たちの性格まで考えて
これからは猫たちと協力して
頑張って生きていかなければ
お母さん、ありがとう
この話しの中の『隣の娘』は私の事です。
私たち家族が初めて猫を飼うことになったのは
私がまだ中学生の頃の事でしたが
当時の父は猫になど興味も持っていなかったので
近所の野良ちゃんが父に甘えて擦り寄っても
「コイツ、俺にノミを移そうとしているな」とか
「なに汚れを俺にすりつけているんだよ」などと言っていました。
これが甘えのしぐさなのだとは思いもしなかったようです(^^;
そんな父が、まさか母に先立たれ
こうして猫と共に暮らす事になるなんて
想像もしていなかったことでしょう。
人生 何が起こるかわからないものです。