思い出





休みのたびにあなたのひざ枕で
耳をほじってもらったね

ああ
あなたの あのお母さんの
優しいにおいがなつかしい

私はあまりの気持ちよさに
あなたのひざ枕で眠ってしまう
あなたはいつもの優しさで
いつまでも寝かせてくれた

ああ あの時が
私の幸せの時だったんだよ




あなたはお風呂が大好きだった
休みになるといつも一緒に入ったね
あなたはぬるめのお湯に
永く入っているのが好きだった

いつもあなたの背中を流したね
あれは結構辛かった
でも楽しかった

本当にあなたのことが大好きだった




私は休みの日の朝食を作るのが楽しみだった

あなたを朝寝坊させて
あなたの好みの甘めの玉子焼き
ジャガイモを千切りして明太子を入れた炒め物
また うちでとれた野菜のおひたし
豆腐のお味噌汁

さぁ 今日のお味はどうかな?

あなたは好き嫌いが多かった
魚は駄目
肉は駄目
あなたに美味しく食べてもらおうと
私の少ないレパートリーから趣向を凝らして・・・

おう 今日の料理は上出来だ!
どう? 今日のお味は?

「私はシンプルなのが好きなのよね」だって!
ショック・・・!

さぁ 次の休みには美味しく食べてもらい
褒めてもらえるよう頑張らねば!




父が語る母との思い出は
私にとっても記憶にある懐かしいことばかりで・・・

いつもなら当たり前のように見てきた風景だったのに
もう二度と父と母が一緒にいるところを見ることがないなんて
信じられないくらい常に見ていきた風景でした。

以前は、当たり前だった毎日が
実は、どんなに暖かく幸せな毎日だったのか
母を失って、初めて気付きました

せっかく気付いたのに、
ありがとう!幸せだったよ!と伝えたいのに
もう、母はいないんですよね・・・



素材:~雪月花舞~


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