キミに届け!ひとりごと
日差しは春めき
陽気になってきているというのに
ひとりぼっちの私の心は
いまだに寒々とした冬に向かって走っているようだ
私の人生で幸せだったのは
お母さんと死別(わか)れるまでだったのだろうか
今はまだ会社に行っているから
会社での会話がある
しかし
あと一年もすれば定年になる
元々人付き合いが好きではないため
友達もいない
おまけに出不精だ
定年後は家にこもり
ひとりぼっちで喋る相手もなく
今日は一日
ひとことも声を発せなかったという日があるのでは・・・?
これから私はどうなっていくのだろうか・・・
ただ死ぬためだけに生きるのだろうか・・・
いや
こんな消極的な気持ちでは
本当に駄目になってしまうだろう
元気を出して
生きていかなければ・・・
今までは幸せの中にどっぷりつかり
生きることなんか考えなかった
いや
考えていたとしても苦にならなかった
幸せをくっつけた状態で考えていたからだろう
一人で生きていくのって難しいね
一人で生きようとするから難しいのか
心の支えが欲しい
あなたの愛で暖めて欲しい
あなたの優しさで生きる元気を与えて欲しい
他人(ひと)様の優しさを感じた時
急に淋しさがこみ上げ
こんなことを考えてしまう
恋しいよ
逢いたいよ
今すぐにでも飛んで行って抱きしめたいよ
あなたのそばで暮らせるならば
どんなに心が安らぐことか・・・
優しさが
恋しくて・・・
恋しくて・・・・・・
生前の妻は
優しかった 可愛かった
いい妻だった
しかし
私を置いて
早々と逝ってしまった・・・
私は死ぬほど淋しく 悲しく
心細い日々を送らなければならなくなった
こんな想いをさせる妻は
いい妻だったと言えるだろうか
この頃 私を置いて逝ってしまった妻に
腹立たしくさえ思えるようになった
それでもやっぱり
恋しいよ 逢いたいよ
「日薬」なんて言葉があるけれど
愛する人を失うという悲しみは、やっぱり深くて
幾日過ぎたとしても、この悲しみからはなかなか抜け出せません。
父も、私も、思い出す母の面影はいい思い出ばかり・・・
それが余計に悲しい気持ちにさせて
ひとりぼっちになってしまったときのような
自分だけがこの世界に取り残されてしまったかのような
そんな気持ちにさせられます。
素材:十五夜様