パルス療法2日目



母の様子はあまり変わりないのかと思えば、なんだか苦しそうで暴れたりしている。
万が一管を引っ張られても困る、ということで、母は両手を結ばれているような状態だった。

点滴で眠らせる、と言っても、その点滴はだんだん慣れてきてしまうもののようで、覚醒しかけてくると苦痛を感じるようになる。
ただし、完全に目が覚めているわけではないので、吐き出すようなことはない。
けれど、さすってやることも出来ず、母の訴えを言葉として聞くことも出来ず、ただ苦痛に表情をゆがめながら暴れている母を見ているなんて、そんなことできるはずがない。

麻酔科の先生にそれを言うと、今夜から眠らせる点滴の配合を変えてくれることとなった。

今日もホテルに父と二人で泊まることに。
父は、たとえ母が車椅子になっても、面倒みたいと言っていた。
私もまったく同じ気持ちだ。

もしも今までのように自由がきかない身体になり、母の楽しみが大幅に減るのだとしても、車椅子で動き回ることが出来るのなら、母の大好きなゲームくらいは出来るだろうし、散歩くらい連れて行ってやれる。

それくらいの自由がゆるされてもいいはずだよね。

お母さん、明日でパルスは終わりだよ。
肺の状態が少しでも良くなっているといいね。


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