入院・その4



今日は父と二人で母の病院に行った。
父は母が入院してから一度も母の元を訪れていないので、今日が初めての見舞いになる。

朝一でSクリニックのS先生に電話をして、母の情報不足を伝えると、S先生は快く、K先生宛ての紹介状と共に過去3年にわたる母のこれまでの症状や経過のデータを用意してくださった。
それを父と二人で取りに行き、その後に浄化槽のお金を支払いに行って、それからついでに母方の祖父母のお墓参りをして、それから母の病院には面会時間より30分早い14時半ごろ到着した。

父も母もよく言えば節約タイプ、悪く言えばケチで(笑)、浄化槽の点検の支払いは郵便局などでも出来るのだが、それだと手数料がかかるし、じかに支払いに行くと手数料がかからないばかりではなく、おまけのタオルがつくというので、普段は母に任せきりなのだが、父も私も初めての支払いで、道に迷いながらようやくたどり着いたという感じだった。

病院では「面会は15時からです。」と言って、30分前では受付してくれなかったが、15分前から受付を始めたので、早速面会バッチをもらって6階の母の病室に向かうと、母は珍しくいびきをかいて眠っていた。

今まで私たちが病院に行くと、こんな風に眠っていたことはなかったので、しばらく静かにしていたが、一向に目が覚めない様子だったので、父を連れていったん1階にある売店に行き、母が髪をとかしたいと言っていたのを思い出し、折りたたみ式のブラシと歯磨きセットと、唇が荒れていたので薬用リップを購入し、父にはジュースを買ってあげて、30分ほど時間をつぶした。

父は夜勤明けで一睡もせずに病院に来たので、もう眠くてどうしようもない状態だったようだが、私も昨晩はほとんど眠れなかったので、栄養剤を二人で飲んで気合を入れることにする。

15時半になっても母は眠っていたが、しばらくすると目が覚めて「いつ来たの?」と驚いていた。
どうやら昨晩発熱し、38度以上の熱で夜中に採血し、今朝方は37度6分くらいになったが、そのときもまた採血したとのことで、ここのところ年中採血しているので、両腕とも針のあとがたくさんあって痛々しい状態だった。
だから、昨夜はちゃんと眠れなかったのだろう。それで私たちが来たのにも気付かないほど寝ていたのだ。

母は薬の副作用で全身ぶつぶつだらけだったが、おなかのぶつぶつは治っていて、首や鎖骨の周辺に出来ていたぶつぶつはまだ赤く残っている状態。
耳たぶにも出来ていたが、それはかさぶたになっていて、アゴも傷になってしまっていたし、鼻の穴の脇は割れてしまっている。
両手両足はべろべろに皮がむけてしまっていて、下着の上げ下ろしの時に引っかかって痛いと言っていたので、昨日はアロエエキス配合のクリームを買ってきて、つめを切ってあげてから両手両足ともよ~く塗り込んできたのだが、今日はだいぶ滑らかな状態になっていた。

昨日は「ベトベトして気持ち悪い。」などと言っていたが、今日の状態が良かったので「今日も塗った方がいいんじゃない?」と言うと、母は嬉しそうに自分から足と手を出してきた。

邪魔な皮をつめきりで切り落としたりした後に、両手両足を昨日と同じアロエクリームを塗ってあげて、唇は水でしめらせたちり紙で軽くふき取りながら余分な皮を取ってあげると、母に「一応リップを買ってきたんだけど、塗ったりするのは気持ち悪いかな?」と聞いてみた。
母は「塗って。」と言うので、薬用リップを塗ってあげた。

具合は良くないかもしれないが、こうしてケアしてあげることにだんだん心地よさを感じられるゆとりが出てきているのだから、精神的にはだいぶいいように感じた。
具合が悪くてどうしようもないと、どんなケアもうっとおしいものに感じてしまうだろうから。

車椅子でトイレに連れて行き、いつものようにトイレを済ませた後、オレンジジュース味のうがい薬(見た目もオレンジジュースみたいなの)でうがいをしたが、父ははっきり言って何の役にもたたない。

こういう時、やっぱり男はダメだね(笑)。

気持ちはあるのだ。
心配もしている。
でも、母から要求しなければボサーッと座っているだけだ。

母のベッドのすぐ脇に衣装ケース兼イスがあり、それは座るとガタガタとうるさく音を立てる立て付けの悪いものなのだが、そこに父は座っていたが、まぁじっとしていないのでガタガタガタガタうるさいこと。
見るからに「つまらない。もう飽きちゃった。」みたいな態度で、私と二人きりになると「俺には無理だ。俺は役に立たない。」と言って、自分が使えないことをアピールしていた。

夕方になると熱が出てきたのか、今度は体中が痛み始めてしまい、腕や足や腰をさすってあげたりもんであげたりして、メルカゾールの副作用は頭痛も伴うらしいので、首や頭をもんであげたり色々としたのだが、一応父も私ばかりにやらせては申し訳ないと思ったのか「俺が代わるよ。」と途中で申し出たものの、母の顔を見れば父のさすり方やもみ方が気持ちよくないのだとすぐにわかる。

痛そうに眉間にしわを寄せて苦痛にゆがんだ顔をして、でもやってもらっているのだから、という感じで耐えている状態(笑)だったので、結局私が代わってあげたのだが、本当に父では無理なのだと実感した。

父は元々、甲斐甲斐しく誰かの世話を焼いたりするタイプではない。
世話を焼いてもらいたい、甘えん坊タイプだ。
だから、面倒見の良い母との関係が居心地良くて、まさか、自分が母の面倒を見るだなんて、想像もしていなかったのだろう。

母は明日まで絶食の予定なのだが、今までは食べ物のにおいに気持ち悪がっていた母だが、吐き気を止める点滴を一緒に打っているのが効いてきているのか、みんなが何を食べているのか気になって仕方ないと言っていたので、母も少しは回復してきているのかもしれない。

何にせよ、熱が下がって体調がよくなって食べれるようになっても、ずっと動いていないから、今度はリハビリもすることになるだろうから、まだまだ私たちの介護は必要なのだ。

今日・明日はK先生がお休みなので、月曜日に詳しい今後の予定を聞くことになるだろうと思う。
月曜日から私はお仕事に戻り、今度は金・土・日がお休みなので、それまでは父と妹に何とかがんばってもらうということになった。

私は相変わらず体中が筋肉痛状態(TT)
いやいや、介護ってものすごい重労働だわ(^^;


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